遺書について


※「東京喰種」「僕の初恋を君に捧ぐ」のネタバレを含みます

 

通ってる歯医者の受付のお姉さんと仲良くなった。コロナワクチンの話をした。「◯◯さんももうすぐですよね。ワクチン打って死んだらどうしよう。遺書でも書いておこうかな。」お姉さんが冗談混半分に言った言葉を、家に帰って少ししてから思い出した。遺書というものを書いてみたいと思った。遺書を書かなければいけない状況に直面したとき、自分がどんなことを書くのか知りたくなった。今まで出会ったたくさんの人たちのおかげでとても幸せな人生だった。とか?それとも、もっとやりたいことがたくさんあった。会いたい人がたくさんいた。死にたくない。って書くかな。そんな気がする。わたしはとても欲張りなので。でも実際のところは分からないね。だって今本当に遺書を書かなければいけない状況下にいないから。ただひとつだけ確信してるのは、不幸だったとは書かないだろうなということ。わたしはいろんなことに否定的で、自分の心と言葉でわざわざ悲しさや寂しさを倍増させてしまったりしている。常に。それでも多分、遺書を書くとしたらそんなことは書かない気がする。自分の人生は幸せなものだったと思いたいからかな。実際本当に幸せだと思っているからかな。他人に向けて遺す言葉に幸せだったと書いてしまえば、それが事実になるからかな。他人にはわたしのことは分からないのだから、幸せだと言ってしまえばいい。死人に口無し(本来の意味だと使い方違うらしいですね)なので、わたしという人間は幸せだったことになる。果たしてそれがわたしという人間個人の本当の幸せとイコールなのかは分からないけど。っていうわたしの考え方自体、他人本意な人生を認めている気がしてきた。ていうか本当の幸せってなんだ。え?なんだこの話。


ところで遺書といえば。東京喰種という漫画で、人間の敵である(とされる)喰種と戦う「喰種捜査官」の滝澤政道が、命の危険を伴う作戦(梟討伐作戦)の前夜に実家の机で遺書を書くというワンシーンがありました。遺書を書き終えたあと、その上から「死にたくない」と大きな文字で書き殴った。怖くなった。これ死亡フラグなのではと思った。どうか死なないでと思った。のちに滝澤くんがまさかあんなことになるなんてこの時はもちろん知らない。考えようによっては死ぬよりもつらい道を歩むことになる。でもああなったからこそ、わたしにとって滝澤くん=オウルは東京喰種でいちばん大好きなキャラクター。(関係ない話になってしまったのでここでストップ)


もうひとつ思い出した。遺書といえば。「僕の初恋を君に捧ぐ」という漫画。逞くんという心臓病の男の子が、難しい手術を前にして幼なじみの彼女、繭ちゃんに宛てて遺書を書いていました。そこには、これから叶えたいたくさんの夢と、もし死んでしまったら代わりにその夢を叶えてほしいこと、他の人と家庭を持って幸せになってほしいことが綴られていたけど、これもまた書いている途中で涙が止まらなくなり、「死にたくない」と叫びます。最終的な結末は読者にお任せというスタイルで完結していた記憶。これはわたしが初めて最初から最後まで読んだ少女漫画で、とても思い出深い漫画です。すごく良かった。何が良かったかというと、ストーリーはもちろん、考えさせられることがたくさんあった。特にわたしが考えさせられたのは「脳死は人の死なのか」ということ。逞と繭の先輩である昴という人物が交通事故が原因で脳死状態に陥ります。昴は生前ドナーカードを持ち、心臓のところにマルをつけていました。逞のためです。脳死状態となった昴の心臓が逞に移植されることになります。通常ドナーの提供先は明かされませんが、タイミングや血液型から判断して自分に移植されるのは昴の心臓だと悟った逞は迷います。繭を含めた彼の周囲の人は、逞に移植される心臓が見つかったことを喜びます。20歳まで生きることができないと言われていた逞が、移植手術がうまくいけばその先も生き続けることができるからです。昴は脳死状態にあっても、時々反射で手を動かしたりします。それを見た彼の恋人は「生きている」と昴のそばで泣き続けます。それを見てしまった逞。を見ている繭。「逞に心臓がもらえてうれしい。もしかしたら先輩の心臓じゃないかもしれないし」逞にそんなことを言う繭ですが、結局逞の意思を尊重します。「逞が嫌ならやめてもいいよ」と言って。………あれ。なんの話してたんだ。


今、小池真理子さんの「死の島」という小説を読んでいます。どうやら尊厳死が云々という話みたいです。感想書けたらいいなと思うんだけど、正直ブックレビューって何よりも書くの難しいんですよね。気付いたらあらすじを書いてるだけになってしまっていたりする。不思議なことにね。自分の心に浮かんできた些細な感情の変化や抑揚を言語化するのって難しいよね。(森山降ってこい)


いろいろ話が脱線した上に取り止めがなくていろんな感情も置いてけぼりで回収されていませんがこれも記念ということでこのままにします。

 

読んでくれたひとありがとう。

今日のブログは長いね!